鉛遮蔽
食品の放射線セシウムのスクリーニング検査における測定誤差を抑える
放射線測定における鉛遮へいの必要性
2011年12月現在、食品の放射線セシウムのスクリーニング検査は、厚生労働省発表の「食品中の放射性セシウムスクリーニング法について」に沿って行われています。このスクリーニング法には、「下限値が50Bq/kg以下であること」と言う測定条件が存在し、下限値50Bq/kg以下の条件を満たすためには、測定誤差を抑える必要があります。
測定誤差を抑えるための方法
・測定時間を長くする
測定時間を長くすれば、測定誤差を小さく出来ますが、測定にかかる時間も長くなります。
・鉛遮へいを行いバックグラウンドを低減させる
環境中の放射線(バックグラウンド)が高いと測定誤差が大きくなります。バックグラウンドを低減させると測定誤差は減少し、測定時間の短縮も可能です。
鉛遮へいをした場合の測定時間の短縮
測定例1
・測定プローブ :Model44-2型1インチサイズNaIシンチレーションプローブ
・測定ジオメトリ :アイボーイ2L広口ビンの液中にプローブを入れて測定
・バックグラウンド:Model44-2型プローブで測定したとき1800cpm
・サンプル :2kg 水と同じ比重で充填率100%
・換算係数 :日本アイソトープ協会で算出
・計算方法 :厚労省通達「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」下限値算出の計算方法による。
<測定例 1の条件で、スクリーニング試験を行った場合>
バックグラウンドの遮へい方法 | 遮へい後の バックグラウンド |
下限値50Bq/kgを満たすための測定時間 | ||
---|---|---|---|---|
サンプルの測定時間の目安 | ブランクの測定時間の目安 | トータルの測定時間の目安 | ||
遮へい無し | 1800cpm | 18分 | 18分 | 36分 |
鉛遮へい箱Model2L-01 (壁厚9mm) |
500cpm | 5.5分 | 5.5分 | 11分 |
鉛遮へい箱Model2L-02 (壁厚12mm) |
400cpm | 4.5分 | 4.5分 | 9分 |
鉛遮へい箱Model2L-03 (壁厚15mm) |
250cpm | 3分 | 3分 | 6分 |
測定例2
・測定プローブ :Model44-10型2インチサイズNaIシンチレーションプローブ
・測定ジオメトリ :880mLポリ容器底面にプロープを当てて測定。
・バックグラウンド:Model44-10型プローブで測定したとき8200cpm
・サンプル:880g 水と同じ比重で充填率100%
・換算係数 :JCSS校正付 880mL容器入密封線源で算出
・計算方法 :厚労省通達「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」下限値算出の計算方法による。
<測定例2の条件で、スクリーニング試験を行った場合>
バックグラウンドの遮へい方法 | 遮へい後の バックグラウンド |
下限値50Bq/kgを満たすための測定時間 | ||
---|---|---|---|---|
サンプルの測定時間の目安 | ブランクの測定時間の目安 | トータルの測定時間の目安 | ||
遮へい無し | 8200cpm | 55分 | 55分 | 110分 |
コリメータ | 2400cpm | 20分 | 20分 | 40分 |
鉛遮へい箱Model2L-01 (壁厚9mm) |
2300cpm | 15分 | 15分 | 30分 |
鉛遮へい箱Model2L-02 (壁厚12mm) |
1800cpm | 12分 | 12分 | 24分 |
鉛遮へい箱Model2L-03 (壁厚15mm) |
1200cpm | 8分 | 8分 | 16分 |
鉛遮蔽 対応製品
Model 3000型 シンチレーションサーベイメータ
1×1インチNaIシンチレーション方式のデジタルサーベイメータ
γ線・X線(20keV~1.5Mev)の高感度検知IEC/EN62233規格に適合
Model2241-2型シンチレーションサーベイメータ
1×1インチNaIシンチレーション方式のデジタルサーベイメータ
γ線・X線(20keV~1.5Mev)の高感度検知
Model 2241-2型 2インチシンチレーションサーベイメータ
2×2インチNaIシンチレーション方式のデジタルサーベイメータ
大型の2×2インチNaI素子により、γ線・X線(50keV~3Mev)を高感度検知
Model 3型 シンチレーションサーベイメータ
1×1インチNaIシンチレーション方式のアナログサーベイメータ
γ線・X線(20keV~1.5Mev)の高感度検知